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このタケノコごはんという素朴なタイトルと子供たちが遊ぶ様子が緑・土・肌の色で描かれる色鮮やかな表紙から、お米や野原遊びを想像してしまいそうです。戦争がテーマである絵本とは思わずに手に取ってしまうかもしれません。
日本が、中国やがて世界中を相手に戦争をしていた頃、大島少年は小学生でした。戦争で父を亡くしたさかいくんの変化や先生たちが戦争に行くことを目のあたりにする中で、さかいくんの気持ちを想像します。さらに、「戦争にいかなければならない」、「強いことがいいことだ」と教わってきた大島少年は、戦争の是非を思うようになります。
このお話は、戦争映画『戦場のメリークリスマス』や1960年代の安保闘争をテーマにした『日本の夜と霧』など社会性・政治性の高い作品を遺した大島渚監督の作文です。あとがきによれば、息子の宿題として出された、こどものために書いた親のこども時代の作文だそうです。
戦時中の子供たちと先生たちとの距離感、関わり方も、一様ではないのも分かり面白いです。